過去にヒト胎盤(プラセンタ)由来製剤の注射剤を使用されたことのある方からは、当面の間献血をご遠慮いただくこととなりました。  
 
以下のヒト胎盤(プラセンタ)由来製剤の注射薬は、日本で承認されている医療用の医薬品で、肝臓病・更年期障害等に使用されていますが、美容形成(シミ・シワ・ニキビ等)にも一部使われていることも知られています。
プラセンタの注射薬の使用と関連したvCJDの発生は報告されていませんが、vCJDという病気について解明されていないことが多く、また、現在の科学的な検査では輸血時に検査ができません。
そこで、プラセンタの注射薬も、理論上のリスクが否定できないため、vCJDの感染の恐れがないとは言えないことから、vCJDの感染リスクをできる限り少なくするために、日本赤十字社では、献血時に慎重な予防的対応を行うこととしました。
つきましては、輸血を受ける患者さんのために、過去にプラセンタの注射薬を使用したことがある方からの献血を、当面ご遠慮いただいておりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
以下の注射薬を使用された方は献血をご遠慮ください。
また、以下の注射薬でなくても「プラセンタ」注射薬を使ったことに心当たりのある方はご相談ください。
対象製剤
  ラエンネック(株式会社 日本生物製剤)
ラエンネック
  メルスモン(メルスモン製薬株式会社)
メルスモン
実施時期
  平成18年10月10日(火)から実施
ヒト胎盤(プラセンタ)由来製剤の注射薬に関するQ&A
 

Q1:プラセンタとはなんですか?

A: 
胎盤のことをプラセンタといいます。
ヒト胎盤(プラセンタ)由来製剤とは人の胎盤から抽出したエキスを成分としたもので、薬事法の承認を受けている注射薬は「ラエンネック」と「メルスモン」の2製剤があります。


Q2:プラセンタ製剤を注射した人が献血できないのはなぜですか?

A:  
ヒト胎盤エキス(プラセンタ)注射薬の使用を通じて、これまでvCJDの感染事例は報告されていませんが、vCJDを伝播するリスクを検討したところ、輸血や臓器移植と同様にヒト由来の臓器から製造されており、理論的なリスクが否定出来ないことから、念のための措置として、献血をご遠慮させていただくことになりました


Q3:プラセンタ製剤を注射した人の身体に影響はありますか?

A:  
正常のプリオンが変異するには一定の期間が必要ですが、ヒト胎盤を原料として製造される医薬品の投与により、感染症が伝播したとの報告は、国内、海外ともにありません。しかし、vCJD等の伝播のリスクは理論的に否定できません。


Q4:内服薬や化粧品にプラセンタ製剤と書いてありました。献血
はできますか?

A:
今回の献血制限措置は注射薬のみが対象です。よって、健康食品(サプリメント・ドリンク剤)、化粧品、内服薬等は含みません。
  

Q5:内服薬、化粧品、ドリンク剤が含まれないのはなぜですか?
 
A: 
筋肉注射や皮下注射よりも理論上危険性が小さいと考えられており、今回の対象にはなりませんでした。
また、化粧品、健康食品の原料は、ヒト胎盤ではなくブタ胎盤等から抽出したものが多いことも理由のひとつです。


Q6:メルスモン、ラエンネックは何に使用される薬ですか?

A: 
メルスモンについては更年期障害及び乳汁分泌不全の治療剤として、ラエンネックについては肝障害の治療剤として厚生労働省の認可を受けています。
また、美容形成(シミ・シワ・ニキビ等)に使用されることもあります。


Q7:変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)とはどのような病気ですか?

                    
A: 
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)とは、急激に起こる意識障害と運動失調、および進行の痴呆を特徴とする致死的な中枢神経疾患で、正常な脳組織が著しく海綿状になってしまうものです。異常プリオン(蛋白性伝播因子)が病因との説が有力ですが、まだよくわからない点もあります。ヒト硬膜移植や脳下垂体由来ホルモン等による伝播経路がわかっている医原性CJD、遺伝的なGSS症候群、FFI、家族性CJD,伝播経路が不明な孤発生CJD等の古典的CJDがあります。これらの疾患はプリオン病と呼ばれています。
vCJDについては、1996年に英国で報告された中枢神経疾患がCJDと非常に似た病態、臨床症状を示しながら、発病年齢、進行速度、脳波所見、病理組織像等で異なった点があったので、新変異型CJD(nvCJD後にvCJD)とされました。現在vCJDはウシのプリオン病であるBSEの病原因子が、種を超えてウシからヒトに伝播したものではないかと考えられています。
 

Q8:輸血でvCJDが感染するのですか?

A: 
2003年以降、英国において輸血によるvCJD感染が疑われる症例が3例報告されています。


Q9:vCJDの検査はできるのですか?

                 
A: 
vCJDの病原因子と密接な関係にあるとされる異常プリオンを血液などから簡単に検出する方法の開発について、現在世界的に精力的な研究がなされています。残念ながらまだ実用化されていませんが、検査が可能となる日も遠くないと思われます。


Q10:vCJDの発病を防止することはできるのですか?

A: 
現時点ではありません。しかしこれも非常に重要なことですので、世界的に発病予防、あるいは治療に結びつくような研究が行われています。